ガバナンス
Governance
コーポレートガバナンスに
関する基本的な考え方
当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、多様なステークホルダーに対する責任を果たしていくための基盤としてコーポレートガバナンスを強化することは経営の最重要課題の一つであると認識し、コーポレートガバナンス体制の充実を図っております。
コーポレートガバナンス体制図
-
取締役会
議長 本橋 伸幸
2022年度開催回数:11回
2022年度出席率:100%社外比率
取締役会は、迅速かつ的確な経営判断がなされるよう社外取締役3名を含む7名で構成しており、定例取締役会の他、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。また、社外取締役の執行役員会への参加や情報交換会の開催等により、議題に対し進捗状況を把握できる機会を増やすよう改善しています。
-
監査役会
議長 塚田 和弘
2022年度開催回数:7回
2022年度出席率:100%社外比率
監査役会は、社外監査役3名を含む4名で構成しており、監査役会が定めた監査の方針等に従い、取締役会・執行役員会その他重要な会議に出席する他、取締役等からその職務の執行状況を聴取し、重要な決裁書類等を閲覧するなどの監査を実施しています。また、内部監査部門と連携を行い適正な情報収集を行っています。
-
指名・報酬諮問委員会
委員長 永島 義郎(社外)
2022年度開催回数:4回
2022年度出席率:100%社外比率
指名・報酬諮問委員会は社外取締役を委員長とし、社外取締役3名、社内取締役1名からなる4名で構成しています。取締役および執行役員の指名ならびに取締役の報酬等に関する手続の公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレートガバナンスのさらなる充実を図っています。
-
執行役員
当社は、機動的な業務執行を確保するため、執行役員制度を導入しております。
この制度は株主の皆様の信認を得て、当社定款にも規定しているものであり、現在、10名の執行役員が業務執行部門の統括責任者を務め、中期経営計画の達成に向けて効率的かつ迅速な業務執行をしています。 -
会計監査人
当社の会計監査人は有限責任監査法人トーマツです。公正かつ独立的な立場から当社の会計監査を実施しています。
-
内部監査
当社は、内部監査部門として監査部を設置し、監査部長を含む4名体制で業務執行から独立した立場で各事業部門の事業運営活動が法令、定款、社内規程ならびに会社の経営方針や事業計画に沿って行われているかを検証し、各事業部門に具体的な助言・勧告を行うことにより、会社の健全性の保持に努めています。
後継者計画について
当社の取締役・執行役員の選任に関する方針・基準を定め、当社グループの代表としてふさわしい者を代表取締役として選定するため、指名・報酬諮問委員会が中心となり、代表取締役社長の後継者計画を策定しています。指名・報酬諮問委員会は、後継者計画に基づき、社長に求める必要な能力、資質(ポテンシャル)、経験・知識・スキルを「あるべき社長像」として定めています。
役員の選任について
当社では、取締役の構成において、各分野での豊富な経験と知見を有する人材を選任し、取締役会等の機能向上を図っています。
各取締役が有する主な専門的経験と知見は以下のとおりです。
氏名 (年齢) | 在任 年数 (年) |
地位および担当 | 主な専門的経験と知見 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
経営 | 営業 | 技術 | 財務・ 会計 |
法務 | 国際性 | 人事 | DX | |||
本橋 伸幸 (65) | 8 | 取締役社長 (代表取締役) |
||||||||
守屋 太 (60) | 3 | 専務取締役 (関西支社長ならびに営業部門およびソリューション技術本部担当) |
||||||||
永島 義郎 (71) | 7 | 取締役(社外) | ||||||||
伊藤 弥生 (59) | 2 | 取締役(社外) | ||||||||
今戸 智恵 (48) | 1 | 取締役(社外) | ||||||||
森 寿隆 (63) | 7 | 取締役 (九州支店長) |
||||||||
三枝 裕典 (61) | 4 | 取締役 (事業統括室長および管理部門担当) |
年齢、在籍年数は2023年6月20時点
- (注)各取締役が有する専門的経験と知見のうち、とりわけ強みのあるもの、当社事業と関連性が強いものを(最大4個)記載しております。
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の実効性の向上およびコーポレート・ガバナンス強化のため、年に1度アンケート方式による書面調査を取締役および監査役に行った上、取締役会にて協議・検討を行うこととしています。
実施方法:アンケート方式 実施日:毎年3月 評価方法:各項目6段階評価
- 改善
- 取り組み方針に基づく
改善の実行
- 調査
- すべての取締役・
監査役に
アンケート
- 分析
- 調査アンケートを
評価し、分析
- 審議
- 取締役会で考察し、
取り組み方針を決定
コーポレートガバナンスの変遷
2022年度の実効性の分析
社外取締役の割合増加や多様性の確保により自由闊達な議論が促進され、①取締役会の構成と②取締役会の運営は高い評価が継続する結果となりましたが、事前資料の量に比較し検討時間がやや不足しているとの意見や中計・事業計画への関与強化を求める意見があり、議論の深化の面ではまだ課題が残っています。
また、社外役員交流会の新設の結果、③取締役会の役割・責務、④取締役会の機能発揮、⑤取締役会への支援体制は前年度よりやや改善しましたが、個別項目においては、社会・環境問題についての議論、後継者育成や役員研修が依然低い評価となっており、今後改善に向けた施策を講じていきます。
役員報酬
当社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬等としての賞与、非金銭報酬等としての株式報酬(譲渡制限付株式報酬)の三つにより構成していますが、社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととしています。
報酬決定のプロセス
取締役の報酬種類別割合については、上位の役位ほど業績連動報酬の比率が高まる構成としています。株主総会において承認された範囲内で、社内規程に基づき各取締役の基本報酬の額、各取締役の業績貢献度、役位に応じた賞与の配分および株式報酬の割当てを算定しています。
透明性をより高めるために、決定プロセスおよび取締役の個人別報酬等の決定は、独立社外取締役を議長とする指名・報酬諮問委員会の答申に従ったうえで、取締役会で決定しています。
1)基本報酬(金銭報酬)
当社の取締役の基本報酬は、役位に応じた月例の固定報酬とし、外部専門機関の客観的な報酬調査データ(業種・業態および売上高、時価総額、従業員数等)ならびに従業員給与の水準をも考慮しながら、総合的に勘案して決定するものとしています。
2)業績連動報酬(賞与)
当社の業績連動報酬等は、各事業年度の利益に基づき原資を決定し、賞与として毎年一定期日に支給しています。個人別の報酬額は、業績向上に対する意識を高めるため事業部門ごとに設定された業績指標を踏まえ算定された個人成績をもとに決定しています。ただし、部門業績評価ができない取締役は全社の指標を適用しています。
3)非金銭報酬(株式報酬)
当社の非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬としています。当社は対象取締役との間で、譲渡制限付株式割当契約を締結し、対象取締役は一定の期間中は自由に株式を譲渡することができないものとしています。株式報酬は中期経営計画に定める指標の達成度に応じて解除する業績連動型譲渡制限付株式報酬と、対象取締役が譲渡制限期間中継続して当社の取締役の地位にあることを条件とする勤務条件型譲渡制限付株式報酬の二つから構成しています。当社が定める中期経営計画の指標が達成されなかった場合等、譲渡制限付株式割当契約に定める事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得することとしています。
2022年度に係る報酬等の総額
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員 (人) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動賞与 | 譲渡制限付株式報酬 | ||||
業績連動型 | 勤務条件型 | |||||
取締役 | 272 | 130 | 105 | 18 | 18 | 10 |
監査役 | 20 | 20 | - | - | - | 3 |
うち社外役員 | 30 | 30 | - | - | - | 6 |
取締役・監査役
取締役
-
本橋 伸幸
取締役社長(代表取締役)- 1980年4月当社入社
- 2013年6月当社執行役員FA事業部長
- 2015年6月当社取締役FA事業部長
- 2016年6月当社代表取締役社長(現任)
-
守屋 太
専務取締役- 1986年4月当社入社
- 2016年6月当社執行役員FA事業部長
- 2020年4月当社執行役員関西支社長
- 2020年6月当社取締役執行役員関西支社長
- 2021年6月当社常務取締役執行役員関西支社長
および支店担当 - 2022年4月当社常務取締役関西支社長
および支店担当 - 2023年6月当社専務取締役関西支社長ならびに営業部門およびソリューション技術本部担当(現任)
-
永島 義郎
取締役(社外、独立)- 1975年4月株式会社三菱銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行
- 2002年5月同行虎ノ門支社長
- 2004年6月東京ダイヤモンド再生・債権回収株式会社(現エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社)代表取締役社長
- 2005年10月エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社代表取締役副社長
- 2009年6月日本カーバイド工業株式会社
常勤監査役 - 2016年6月当社社外取締役(現任)
- 2018年6月全国保証株式会社社外取締役(現任)
-
伊藤 弥生
取締役(社外、独立)- 1986年4月日本電信電話株式会社入社
- 1988年7月エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社(現株式会社エヌ・ティ・ティ・データ)入社
- 2008年4月同社公共システム事業本部
ビジネス企画推進室長 - 2019年5月ユニゾホールディングス株式会社入社常務執行役員
- 2021年4月SGシステム株式会社
執行役員経営企画担当 - 2021年6月当社社外取締役(現任)
- 2021年6月三井住建道路株式会社社外取締役
(現任) - 2023年6月日本郵政株式会社社外取締役(現任)
- 2023年6月西松建設株式会社社外取締役
(監査等委員)(現任)
-
今戸 智恵
取締役(社外、独立)- 2003年10月弁護士登録(第二東京弁護士会)
- 2003年10月森・濱田松本法律事務所入所
- 2008年4月外務省国際法局経済条約課 課長補佐
- 2010年7月奧野総合法律事務所入所
- 2018年5月株式会社アイ・アールジャパン入社(現任)
- 2019年1月三浦法律事務所入所 パートナー弁護士(現任)
- 2020年6月全国保証株式会社社外取締役(現任)
- 2022年6月当社社外取締役(現任)
-
森 寿隆
取締役- 1983年4月当社入社
- 2014年4月当社執行役員中部支店長
- 2016年4月当社執行役員関西支社副支社長
- 2016年6月当社取締役経営戦略室長
- 2018年4月当社取締役事業推進室長
- 2018年6月当社取締役執行役員事業推進室長
- 2019年4月当社取締役執行役員九州支店長
- 2022年4月当社取締役九州支店長(現任)
-
三枝 裕典
取締役- 1985年4月当社入社
- 2016年4月当社執行役員総務人事室長
- 2018年4月当社執行役員管理統括室長
- 2019年6月当社取締役執行役員管理統括室長
- 2020年10月当社取締役監査部門担当
- 2021年6月当社取締役管理部門担当
- 2023年6月当社取締役事業統括室長および管理部門担当(現任)
監査役
-
塚田 和弘
監査役(常勤)- 1985年4月当社入社
- 2015年4月当社執行役員SI事業部長
- 2018年6月当社執行役員ビル設備事業部長
- 2023年6月当社監査役(現任)
-
岡本 修
監査役(社外)- 1990年4月三菱電機株式会社入社
- 2019年10月同社東北支社総務部長
- 2019年11月青森三菱電機機器販売株式会社
社外監査役 - 2019年12月山形三菱電機機器販売株式会社
社外監査役 - 2020年2月菱明三菱電機機器販売株式会社
社外監査役 - 2023年4月三菱電機株式会社 営業本部事業企画部次長(現任)
- 2023年6月当社社外監査役(現任)
-
野見山 豊
監査役(社外、独立)- 1977年4月株式会社大和銀行(現株式会社りそな銀行)入行
- 2004年4月株式会社寺岡製作所入社
- 2007年6月同社執行役員管理本部副本部長
- 2008年6月同社取締役管理本部長
- 2011年6月同社監査役(現任)
- 2011年6月当社社外監査役(現任)
-
一法師 信武
監査役(社外、独立)- 1971年8月ピート・マーウィック・ミッチェル会計士事務所(現有限責任あずさ監査法人)入所
- 1975年3月公認会計士登録
- 1976年1月監査法人東京丸の内事務所(現有限責任監査法人トーマツ)入所
- 1995年7月日本公認会計士協会理事
- 2001年7月日本公認会計士協会常務理事
- 2005年4月東北大学会計大学院教授
- 2007年6月株式会社タチエス監査役
- 2016年6月当社社外監査役(現任)
社外取締役メッセージ
永島 義郎
ガバナンスの進化について
社外取締役に就任して7年経ちました。その間経営やガバナンス体制の変化について感じていることが2つあります。
一つは、取締役会や執行役員会で特に業務執行状況の説明や資料が見直され、原因・結果等について具体的で有意な協議ができるようになったことです。このことが、厳しい環境のなかでも受注拡大や在庫・代替品の確保等、日頃の営業活動の実力を高めることに役立っていると思います。
また、DXに関する報告や各部署の監査報告もあり、社外役員でも管理面の実態把握がかなりできるようになったことで取締役会において総合的な協議が活発に行われており、取締役会の実効性も高まっていると感じています。
もう一つは、インサイドセールスや複合販売等の事業戦略と組織連携が強化され全社一丸で事業を推進する体制が整ってきていることです。さらに、体制面のみならず、当社が標榜する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」にふさわしいソリューション人材の育成も、研修やKPIマネジメントを通じて着実に進んでいると思います。
当社は、中長期的にみると成長性に課題がありM&Aや新規事業にも積極的に取り組んでいく必要がありますが、併せて、進化した営業力・事業推進力を駆使して現在の事業領域でのスケールアップにも一層注力してもらいたいと期待しています。
伊藤 弥生
戦略とその監督について
新たな企業理念のVision「Creating New Value for Society」では “世の中をより良い未来に導いていくために、社会全体のために常に新しい価値を創造し続ける活動を続ける”という当社のありたい姿が明確になり、目標に向けた中期経営計画や各事業戦略が示されています。一番大切なことは、計画や戦略に関して「具体的にどんな活動を」「誰が」「いつまでに」「どうやって進めていくのか」を全員で共有し理解して、目に見える形で進捗や課題を共有・管理し、着実に前に進めていくことだと思います。
新しい価値創造に関しては、各事業部はもちろん、事業部間、支社・支店間、事業部と支社・支店間など縦横クロスした連携活動が重要だと感じています。複合販売が効果的に進められるような組織やルールも必要でしょう。そしてこうした活動をスムーズに進めるのに有用なのが活動全体の見える化であり、KPIやダッシュボードの有効活用、SAPの導入といったものがそのベースを支えることになると思います。
DXの導入は、中途半端に始めてしまうと結果的にダメージが大きくなります。しかし、スピード感も重要です。必ず地に足をつけたしっかりした計画の策定・管理を実施し、運用を見据えた体制を作り、自信をもって着実にDXを進めていただきたいと思います。大きな成果をあげることを期待しています。
今戸 智恵
取締役会の実効性について
当社の取締役会の実効性は相応に高いレベルにあるものと思っています。取締役会では、多様な経験・知見を持つ役員よりそれぞれの視点での質問や意見が積極的に出され、活発な議論がなされています。取締役会において社外役員が対応を求めた事項についても速やかに対応状況が報告されるなど、社外役員の意見が反映されていることを感じます。
取締役会で建設的な議論を行うためには、社外役員も会社の現況を把握したうえで時に問題意識を持ちながら準備を行う必要がありますが、そのためには会社から事前の情報共有をいただくことが肝要です。当社においては取締役会のほかに、経営戦略の会議や執行役員会への参加の機会が設けられているため、経営戦略の内容に関する議論はもちろんのこと、その進捗状況や会社が現時点で抱えている課題・問題を適時に把握することができます。また、社外役員のみの会合や代表取締役社長との会合など、取締役会以外でも多様な構成でコミュニケーションを行う場所も用意されているため、自由な雰囲気で意見交換をし、会社の現況やその課題に関する理解を深めることができます。
今後、当社もサステナビリティ経営の視点がさらに求められることになると思います。私たち自身も世界規模で進むサステナブルな社会に向けて、国内外の行政の動きを注視するとともに企業の様々な取り組みからも学びを得て、当社がこれからもさらに成長・発展し続ける企業であり続けるための策を推進していきたいと思います。